グローバル・シラー・マスターズ2024の全メダリスト

シラーであれシラーズであれ、この品種はあらゆる産地から素晴らしい品質と圧倒的なコストパフォーマンスを提供してくれる。パトリシア・ステファノヴィッチMWがレポートする。

シラーはエキサイティングで傑出した品種であり、だからこそグローバル・シラー・マスターズは、常に期待を掻き立てる毎年恒例のイベントなのである。このコンクールでは通常、シルバーメダル、ゴールドメダル、マスターメダルを受賞するワインが多く、今年も例外ではなかった。

シラーの伝統的な中心地はローヌ渓谷の北部にあるが、ここ数十年、この品種はさらに南下し、最初はローヌ南部、次いでラングドック・ルーションに移ってきた。

オーストラリアは19世紀にシラーズの前哨基地となり、現在では約36,000haの畑を所有する、オーストラリアで最も栽培面積の多い赤ワイン品種である。2024年グローバル・シラー・マスターズでは、オーストラリアからのエントリーが非常に多く、相応の素晴らしい結果を残した。

食欲をそそる、れんげ、ブルーベリー、時には熟したプラムや他の赤い果実の香り、黒胡椒の特徴的なノートがアクセントとなり、ワインは洗練と優雅さを示す。

バロッサ・ヴァレーのジューシーなワイン、クレア・ヴァレーやマクラーレン・ヴェイルの洗練された個性、ミントの香りがするクナワラ、皮のような味わいのニュー・サウス・ウェールズなど、国中で非常に上質なワインを見つけることができる。

些細な不満があるとすれば、気候の変化でアルコール度数が少し高めになることがあるが、それがオーストラリアの現実だ。しかし、オーストラリアの強みは、手ごろな価格帯のワインであっても、その品質の高さにある。審査員たちは、10ポンド以下の価格帯にコストパフォーマンスを見出し、10ポンドから15ポンド、15ポンドから20ポンド、20ポンドから30ポンドで真の喜びを味わった。

カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールが同レベルで苦戦している中、比較的現実的な価格で素晴らしいワインを提供している。ヤンガラ・エステートは、ここで見事な出来を見せたワインのひとつだ。

オーストラリアの生産者の中には、15ポンド以下から50ポンド以上まで、様々な価格帯の素晴らしいワインを揃えているところが数多くある。ウェイクフィールド・ワインズ（Wakefield Wines）、ガット・ワインズ（Gatt Wines）、ハイルーム・ヴィンヤーズ（Heirloom Vineyards）などは、すべてのワインを楽しむために試してみたい名前だ。

50ポンド以上のオーストラリアのシラーズワインは、真のコレクターズアイテムであり、そのように崇められるべきである。今飲んでも（そして美味しく）飲めるが、オーストラリアの最高級シラーズ愛好家なら、この上質なワインを何年も寝かせておくことを心配する必要はない。実際、20年経った今でも美味しく、一体感があり、層が厚く、複雑である。フィリップ・ショウのフースグ、シャトー・タヌンダ、ケープ・バレン、シルド・エステートの高価なワインは、いずれも審査員たちに大きな喜びを与えた。

今年はニュージーランド、特に北島のネイピアに近いホークス・ベイの傑出したワインも試飲され、特にチャーチ・ロードのワインが際立っていた。

また、オーストラリアやニュージーランドだけでなく、南アフリカ、ギリシャ、チリなど、世界中に目を向ける価値がある。シラー/シラーズはその勢力を拡大し、ワインの「天上」を目指している。