コニャック、中国関税の決定を待ち望む

欧州委員会が人民共和国製の電気自動車に最大38.1％の関税を課すと決定したことに対し、欧州のブランデー蒸留所、特にコニャック地方の蒸留所は中国の反応を心待ちにしている。

ブリュッセルは、中国が欧州で安価なEVをダンピングし、地元メーカーに不利益を与えていると非難している。

この論争は以前から湧き起こっており、中国は1月、EUから輸入されるブランデー（その90％以上がコニャック）に対し、報復的な反ダンピング調査を開始した。

これは、キャンベラが人権やコロナウイルスの流行の原因について率直な意見を述べた後、中国が最大218.4％の関税を導入した際にオーストラリアのワイン生産者が受けた打撃と同じような打撃をコニャックも受けるのではないかという懸念に火をつけた。

「我々は欧州の決定に留意し、中国が欧州産ブランデーに対して開始したアンチダンピング調査への影響について、改めて深い懸念を表明する」と、BNIC（Bureau National Interprofessional du Cognac）のフロラン・モリヨン会長は述べた。

必要

中国は自国の利益を守るために「あらゆる必要な措置」を取るという。

これはブランデー、特にコニャックに対する報復であると広く予測されているが、外交筋によれば、双方はこれ以上この問題がエスカレートするのを防ぎたいのだという。

BNICは5月、業界の「未来は関税の回避にかかっている」と述べ、マクロン大統領は先月フランスで2人が会談した際、習主席から懲罰的な課徴金を回避することで暫定的な合意を勝ち取ったようだ。

暗くなる雲

しかし、EUが7月4日から中国車の輸入にペナルティを課すと発表して以来、レミー・コアントロー（レミーマルタン）、ペルノ・リカール（マーテル）、LVMH（ヘネシー）といった蒸留酒メーカーの株価に暗雲が立ち込めている。

コニャックは中国で輸入される蒸留酒の中で最大のカテゴリーだが、地元で生産される白酒が蒸留酒市場全体の95％を占めているため、投資家は、関税引き上げによってフランス産の白酒の価格が上昇しても、中国の消費者の多くはほとんど影響を受けず、代替品に流れるのではないかと懸念している。

BNICのデータによると、中国は2023年のコニャック輸出全体の19.4%を占めている。中国での販売に余分な障壁があれば、同国のカテゴリーリーダーであるレミー・コアントローにとって大きな打撃となる。

輸出

米国と中国が2大輸出市場であり、両国の市況は同社に大きな打撃を与えている。

米国ではインフレと消費者のコニャック離れが進み、フランスのグループは大量の過剰在庫を抱えている。

中国では、経済の低迷と若者の失業が、パンデミック後の経済成長を妨げている。

レミー・コアントローの既存事業の売上高は3月31日までの1年間で9.2％減少し、同社は今後12ヶ月間の業績は徐々にしか改善しないと予測している。

収入

昨年、レミー・コアントロは営業利益の約80％をコニャックから得ていた。

ペルノ・リカールのマーテルとLVMHのヘネシーは、米国と中国の両方で同様の問題に直面しているが、彼らのポートフォリオははるかに多様であるため、コニャックへの依存度ははるかに低い。

現在、ブリュッセルと北京の間で、現在の行き詰まりを解決するための緊急交渉が行われている。