牛乳タンパク質のジェルが、酔い覚ましの秘訣になるのだろうか？

マウスを使った実験で、チーズ製造の副産物から作られるゲルが、中毒からの回復を早める可能性があることが明らかになった。

スイスのチューリッヒ工科大学の研究者らは、乳清タンパク質の繊維から作られたゲルを開発した。このゲルは、個々の鉄原子を利用して、腸内のアルコールを酢酸（酢の酸味のもととなる酸）に変換し、その後、血液中に無害に吸収される。

同大学の食品・ソフトマテリアル研究所のラファエレ・メッツェンガ教授は、これまでの実験では成功しなかったのに、なぜこの実験では成功したのか、と説明した：「より大きなナノ粒子を使う代わりに、個々の鉄原子を選びました。この鉄原子はフィブリルの表面により均等に分布させることができ、したがってアルコールとより効果的かつ迅速に反応することができます。

このゲルをテストするために、アルコールを一度だけ飲ませたマウスと、10日間にわたって定期的に飲ませたマウスで実験が行われた。

その結果、アルコールを一杯飲んでから30分後、ゲルはマウスのアルコール濃度を40％低下させ、5時間後には約56％低下させた。

アルコールを10日間飲ませたマウスでは、このジェルによって「体重の減少が有意に少なく、肝臓の損傷が少なく、したがって肝臓での脂肪代謝が良くなり、血液の数値も良くなった」。

メゼンガはこう説明した：「このゲルはアルコールの分解を肝臓から消化管に移行させます。アルコールが肝臓で代謝されるのとは対照的に、有害なアセトアルデヒドは中間生成物として生成されません"。

研究者たちによれば、このジェルは今のところげっ歯類でしかテストされていないが、アルコールが存在する場合にのみ機能するため、理論的には人間が使っても健康への悪影響はないという。

「このジェルは、アルコールを完全に断ち切りたくないが、体に負担をかけたくないし、アルコールの効果を積極的に求めているわけでもない人々にとって、特に興味深いものでしょう」とメゼンガは示唆した。

研究者たちはこのゲルの特許も申請している。

しかし、二日酔い防止商品の開発会社が最近発見したように、"酩酊を治す "と主張する商品は、広告規制に抵触しないように注意しなければならない。